夢から別の自分を見つける
夢が知らせる自分

夢から別の自分を見つける

夢が知らせる自分の欠点や弱さ

 得体の知れない人間に、追いかけられる夢を見たことがありませんか。相手が誰なのかはっきりせず、とにかく誰かが追いかけてくる夢です。
 ある人が、この夢を見たというので、相談に来られました。堂々とした体つきで、自信を体全体にみなぎらせている経営者でした。

 

 この夢は、約束や期限に迫られている場合に見ることが多いのです。約束や期日を守るという強い潜在意識が働き、迫ってくる時間が、得体の知れない人間として現れてくるの
です。そのことを伏せておいて、相談者の話を詳しく聞きますと、「取引先への支払いの見通しが、まだついていない」と打ち明けてくれました。

 

 沈着冷静で強気一辺倒の人でも、窮地に立たされれば、ふつうは不安を覚え、弱気にもなるのです。これは人間なら当たり前のことです。人によっては立場上、他人に知られたくないと隠そうとします。その反動が夢に現れるわけですが、これまでの人生が順調なだけに、どうしてこんな夢を見るのだろうと、思い当たらないわけです。
人はピッチに立たされたとき、本来の正体を現すといいます。夢は、隠されていた自分の欠点や弱さを表すシグナルといえるでしょう。

 

 

意外な行動力や積極性に気づくことも

 もう一つの事例です。夢の中で殺されそうになり、怖くなって夢中でもがいているときに目が覚めた。夢でよかったが、いつまでも心に残り、後味が悪く気持ちが悪いという事例があります。

 

 この夢は”不思議な現象”とも言われ、不快な夢の内容とは裏腹に、これまでとは違う自分に変身するチャンスが訪れることを表しています。ものの考え方や見方など、価値観を高められるチャンスに多く巡り合えることを意味しているのです。また、これまでの悩みや問題を引きずっていたとしても、思いがけず解決できることを表しています。気持ちの悪い夢を見たと、悩んでクヨクヨしたり恐れる必要はありません。

 

 一方、もしあなたが、人を殺す夢ならどうでしょうか。これは物事に関して、前向きの姿勢でアタックする行動派の人が多く見る夢です。
人間は、強さと弱さ、消極的な面と積極的な面というように「陽」と「陰」との両面があります。性格にしても感情にしても行動パターンにしても、固定しているわけではありません。

 

夢は、そのときの状況によって、自分に隠されているもう一つの気持ちを表しているのです。それは、もう一人の自分の姿です。夢は、「私ってこんな面もあったんだ」と、気づかせてくれる役割をもっているのです。